敬遠サヨナラは何度も起こっている

バッターボックス

サヨナラになりそうな場面というのは九回裏などでランナーが三塁あるいは二塁三塁のような状況です。一塁が空いていて次のバッターが強打者というところでその打者との勝負を避けるのが敬遠策ですから、本来ですと敬遠サヨナラというのはありえないことになります。しかし日本のプロ野球の歴史上、それが起こってしまったことがあります。野球は何があるかわからないという実例の一つです。

まず起こるケースが、守備側が敬遠しようと投げた球をバッターが強引に打ちサヨナラ打になるものです。平成二年のことですが、投手は強打者の外国人選手を敬遠し、次のバッターとの勝負を選びました。次の選手も好打者ですが、その投手は相性がよく、この試合でも抑えていたからです。念を入れて捕手が立たないと捕れないようなところに投げたのですが、なんとその選手はその球を強引に打ってしまいました。この時ランナーは三塁でなくまだ二塁にいたため、急いで打球を処理すればまだ間に合ったかもしれませんが、敬遠だと思っていた相手の守備陣は対応が遅れ、敬遠サヨナラとなってしまいました。同じようなケースはその後も起こっています。

もう一つ考えられるのが投手が暴投することです。特に速球派の投手の中に、敬遠球のような球を投げるのが苦手という人がいまして、ランナーが三塁にいる状況で敬遠しようとして捕手が捕れないようなところに投げてしまい、そのまま敬遠サヨナラという結末になることがありますが、こちらの方は比較的よく見られます。